やがてめぐになる

さんすうとえいごのおべんきょうブログ。ほかにもかきたいことをかきます。

2月13日のしゅくだい3

しゅくだいときます。

(i)  t_1\neq t_2ならば、 W_{t_1} W_{t_2}は独立
(ii)  (W_t)は定常
(iii) すべての tに対し、 E[W_t] =0

を満たす実数値確率過程 (W_t)で連続なものは W_t\equiv 0なるものを除いて存在しない。

しょうめい:
Step 1)  N=1,2,\dotsに対し、 W^N_t=(-N)\vee (W_t\wedge N)とする。
このとき、各 Nに対して、 x\mapsto (-N)\vee (x\wedge N)は連続であるので、これと Wとの合成である W^Nは(i),(ii)を満たす。
(ヒントの通り計算する。)
\begin{align*}
E[(W^N_t - W^N_s)^2]
&= E[(W^N_t)^2] - 2E[W^N_tW^N_s] + E[(W^N_s)^2]\\
&= 2E[(W^N_0)^2 - (E[W^N_0])^2] \\
&= 2E[(W^N_u - E[W^N_0])^2]
\end{align*}
が任意の uで成り立つ。
今、 Wが連続過程であると仮定する。
すると、 W^Nも連続であり、したがって t\to sとすると、優収束定理(有界収束定理)より
\begin{align*}
E[(W^N_u - E[W^N_0])^2] = 0
\end{align*}
を得る。
よって、
\begin{align*}
W^N_u = E[W^N_0] \tag{1}
\end{align*}
である。
よって、 W^Nは定数過程である。



Step 2) 任意の uに対し(1)が成り立つことより W^N_0=W^N_uなので、
\begin{align*}
&\{W_0>N\} = \{W_u>N\} \\
&\{W_0<-N\} = \{W_u<-N\} \\
&\{-N\leq W_0\leq N\} = \{-N\leq W_0\leq N\}
\end{align*}
が分かる。
このとき、任意の Nに対して、次の①~③のいずれか1つのみが成り立つ:
 P(W_0>N)=1
 P(W_0<-N)=1
 P(-N\leq W_0\leq N)=1
∵) ①については、 A_0=\{W_0>N\},~A_u=\{W_u>N\}とおくと、すでに述べたように A_0=A_uで、(i)より A_0 A_uは独立であること、そして(ii)より、
\begin{align*}
P(A_0)
&= P(A_0\cap A_u) \\
&= P(A_0)P(A_u) \\
&= P(A_0)^2
\end{align*}
となり、 P(A_0)=0,1を得られる。②、③も同様。①~③の事象は互いに素なので、いずれか1つのみが成り立つ。



Step 3) 任意の Nに対して、 P(-N\leq W_0 \leq N)=1が成り立つことを示す。
ある Nで①が成り立つとすると、 E[W_0]=E[W_0;W_0>N]\geq Nとなり、 E[W_0]=0に反する。
②も同様。
よって、任意の Nに対し、 P(-N\leq W_0 \leq N)=1である。



Step 3)より、特に N=1としておくと、
\begin{align*}
W_u
&= W^N_u \\
&= E[W^N_0] \\
&= E[W_0] = 0
\end{align*}
となり、 W\equiv 0を得る。この Wは(i)~(iii)を満たす。□